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中四国支部第53回講演会(例会)

【日時】

2019年1月26日(土)

 

【演題】

ヨーグルトの乳酸菌発酵とカード形成に及ぼす黒酵母β-グルカンの効果

 

【演者】

岡本 和華,池上 裕倫1,奥原 歩音,遠藤 怜,井上 侑紀奈,岡林 倫史1,加藤 麗奈3,上東 治彦3,村松 久司,永田 信治

(高知大・農,1ソフィ,2ひまわり乳業,3高知県・工技セ)

 

【目的】

黒酵母Aureobasidium pullulans は菌体外多糖としてβ-グルカン(SBG)を生産する。SBGは,増粘多糖類として食品添加物に使用される一方で,乳酸菌の耐性強化にも寄与することが報告されている。本研究では,ヨーグルトスターター乳酸菌を用いて乳酸菌の生育やヨーグルト製造における試菌として,SBGの効果を検討した。

 

【方法・結果】

4つのスターター乳酸菌 Streptococcus thermophilusLactobacillus delburuekii subsp. bulgaricusLactobacillus helveticusLactobacillus casei subsp. casei N027 を用いた。MRS液体培地にて37℃,120rpmで48時間振とう培養し,経時的に生菌数を測定した。10%脱脂粉乳にて各菌株を単独で植菌,もしくはS. thermophilus とそれ以外の3菌株を各々組み合わせて植菌して発酵試験を行った。37℃で24時間静置培養し,経時的にpH,酸度,カード形成,ホエイの離水を測定した。カード形成はB型粘度計による年度で評価した。各試験でSBGはAFO-202株,NN株由来の2種を用いて各3%ずつ添加した。結果,MRS培地ではL. helveticusL. casei でSBG添加により生菌数の増加がみられた。脱脂粉乳の試験ではL. bulgaricusL. helveticusについてSBG添加でより早いpHの低下と酸度の上昇が見られた。共発酵ではいずれの組み合わせにおいても単発酵と比較し,pH,酸度だけでなくカードの粘度の増強が観察された。さらにカード形成及びホエイの離水は添加するSBGの種類によって差がみられた。SBGの添加により乳酸菌生育・発酵促進,カード形成力の向上がみられ,ヨーグルト製造における有用性が示唆された。

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