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日本農芸化学会中四国支部第35回講演会(例会)

【日時】

2013年1月26日(土)

 

【演題】

黒酵母 Aureobasidium pullulans による機能性β-1,3-1,6-グルカンの生産と 粉末化

 

【演者】

池上裕倫 1,2 、中谷麻衣 1,2 、長瀧 充 1 、高本美佐 1 、尾仲 隆 1 、 村松久司 2,3 、永田信治 2,31ソフィ、2高知大・農、3高知大・生命環境)

 

【目的】

Aureobasidium pullulans が生産する水溶性のβ-1,3-1,6-グルカン(SBG)は、その 増粘性と安全性から、食品添加物に認可されている。SBG は、NK 細胞の活性化など多数 の生理機能が確認されており、機能性食品への更なる利用が期待されている。本研究では、 食品分野での汎用性を高めるために、液状の SBG の特徴を持つ粉末の製造を検討した。

 

【方法・結果】

SBG に、デキストリン、糖類 S2、糖類 S4 の 3 種類の賦形剤を添加し、ス プレードライ法にて粉末を作成した。粉末のβ-1,3-1,6-グルカン含有量、含水値、色、水 溶液の粘度を測定し、乾燥状態で保存した際の経時変化の度合により、安定性を評価した。 β-1,3-1,6-グルカン量は、基質特異性の高いグルカナーゼを用いた酵素法で測定した。溶解 性は粘度の変化により評価した。その結果、デキストリンを使用した粉末が短期間で不溶 化したのに対し、S2 および S4 を使用した場合、溶解性が長期間低下しなかった。また、 S2 および S4 を用いた粉末を再溶解して得た水溶液の粘度およびβ-1,3-1,6-グルカン量 は、SBG と同程度であった。より安定性の高かった S4 を用いた粉末については、28 日の 反復投与試験およびマウスの脾臓細胞を用いた 51Cr 放出試験を行った。その結果、被験物質の影響と考えられる病変は確認されず、SBG と同程度の NK 細胞活性を確認できた。

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