日本農芸化学会中四国支部 第23回講演会
- 2009.01.24
【日時】
2009年1月24日(土)
【演題】
アレルギー発症予防効果の評価システムの確立
【演者】
吉岡絵梨 1、秋丸國広 2、渡部嘉哉 3、矢野弘子 3、谷脇千穂 3、本河万里子 1、穴井直博 4、 村松久司1、永田信治 1
(1高知大農・応用微生物、2高知大医・環境医学、3ソフィ、4高知アニマルサイエンス)
【目的】
アレルギー発症予防効果を持つ新しい機能性素材の探索を目的として、植物性バイオマスに由来する乳酸菌やバシルス属細菌の分離を行ってきた。本研究では、卵白アルブミン (OVA)の経口投与によって感作したアレルギー発症モデルマウスを構築する条件を検討し、分離菌を経口投与することによって生じるIgEやサイトカイン量の変化を指標に、OVAによる感作を軽減する効果の有無を評価することを試みた。
【方法及び結果】
OVAによるマウスの感作条件を検討した結果、マウス1匹当たり0.1mgのOVA を9週間毎日連続投与することによって、安定なIgEの上昇が認められた。試験に用いた2種類の乳酸菌と常温性及び好熱性のバシルス属細菌は、培養細胞に対する毒性試験とIL-1存在下でのMCP-1産生能などを比較することによって、免疫系に対する作用の有無を確かめ、毒性を示さない菌体濃度で9週間投与を行った。投与中1週間毎に体重を測定し、3週間毎に採血を行い、投与終了時に脾臓を摘出した。こうして得られた血清と脾臓細胞の培養上清を用いて、IgE等の定量的な評価を行った。