日本農芸化学会 2003年度大会
- 2003.03.31
【日時】
2003年3月31日(月)
【演題】
Ceriporiopsis属菌株のβ-グルカナーゼを用いたβ-1,3-1,6グルカン定量
【演者】
○池上 裕倫1,2、宮原 俊彦1 、永田 信治1 、加藤 伸一郎3 、味園 春雄1,3(1高知農大・生資、 2ソフィ、 3高知大遺伝子実)
【目的】
近年、ガン・糖尿病等の生活習慣病の予防に担子菌類の構造多糖の摂取が有効とされ注目を浴びている。構造多糖の中でも特徴的な生理活性を示すものは、β-1,3-1,6-グルカンとされているが、その直接的な定量方法は確立されていない。一方、我々は土壌中より単離した生酵母溶解酵素生産菌に顕著な活性を示すβ-1,3グルカナーゼとβ-1,6グルカナーゼを見出している。本研究ではこれらのβ-グルカナーゼを利用したβ-1,3-1,6グルカンの定量を試みた。
【方法と結果】
β-1,3グルカナーゼβ-1,6グルカナーゼを生産する菌株を分離し、形態学的生理学的解析とrDNAの解析によってCeriporiopsis属菌と同定した。パン酵母培地を用いた培養濾液から、硫安分画、DEAE-トヨパールを用いてβ-1,3グルカナーゼとβ-1,6グルカナーゼを分離した。分離した酵素の活性と基質吸着性を様々なβ-グルカンを基質として測定した結果、β-1,3-1,6グルカンの定量を行えることが示唆された。さらに他のβ-1,3グルカナーゼとの併用も試みた。