日本農芸化学会 2010年度大会
- 2010.03.27
【日時】
2010年3月27日(土)
【演題】
機能性β-1,3-1,6-グルカンの特異的定量法の開発
【演者】
清野 由佳1、宮脇 香織1,2、松岡 靖子1、和田 いくみ 1、中谷 麻衣1,2、池上 裕倫1,2、 村松 久司 1、永田 信治1
(1高知大・農、 2ソフィ)
【目的】
β-1,3-1,6-グルカンは増粘性、保水性、凝集性、免疫賦活作用を示す機能性多糖 である。しかし、生物や食品中のβ-グルカンを定量する標準法は知られているが、酵素を 用いてβ-1,3-1,6-グルカンのみを簡便に定量する方法はない。本研究では、β-1,3-1,6- グルカンの特異的定量が可能なβ-1,3結合やβ-1,6結合を特異的に分解するグルカナーゼ の精製と解析を行った。
【方法・結果】
主な多糖分解活性が見られず、β-1,3-1,6-グルカン の分解活性のみは強いMitsuaria chitosanitabida H1とStreptomyces omiyaensis SY26の培養ろ液からDEAE-トヨパール、SP-セファデックスの2種のカラムクロマトグラフィーを用いてグルカナーゼの精製を行った。H1株から得られたβ-グルカナーゼの精製標品は、強いβ -1,3-グルカナーゼ活性を示した。SY26株には少なくとも二種類のβ-グルカナーゼが存在し、β-1,3-グルカンに対して高い活性を示すが、β-1,6結合を含む多糖の種類によって反応性が顕著に異なっていた。