POST

Society

第1回 高知大学看護学会

【日時】

2006年11月25日(土)

 

【演題】

便秘緩和に関する研究 ―食事療法(ソフィβ-グルカン)の導入についての考察―

 

【演者】

○野村 晴香1) 正光 礼2) 尾原 喜美子1) 浦川 真由美3) 尾仲 隆3) 吾妻 健1)

1)高知大学医学部看護学科 2)同学科4回生 3)株式会社ソフィ

 

【はじめに】

便秘または便秘気味である若年女性の割合は半数を超1) 、多くの若年女性が便秘で苦しんでいると考えられる。今回の研究では、若年女性を対象に、便秘を誘引する精神的な要因及び便秘後の精神的な負担について調べる。さらに若年女性自身が便秘をどのように受け止め、便秘の症状にどのように対応しているのかなど現在の便秘の実態の把握と、食事療法としてソフィβ-グルカンの摂取を導入し、便秘がどのように改善されたかの評価を試みる。本研究で用いるソフィβ-グルカンは、黒酵母菌(アウレオバシジウム属の微生物)の培養液より分離して得られたもので、主成分はβ-1,3-1.6-グルカンであるが、多糖類を主成分とする食物繊維(天然食品添加物)であり、整腸作用、免疫細胞の活性化などあることが期待されている。

 

【方法】

①対象者: (1)アンケートの対象者:看護学生(18~24歳)260人

(2)ソフィβ-グルカン摂取の対象者:女性3人

②研究方法:アンケートを用いて、若年女性の便秘の状態やその対処法を把握する。得られた情報を分析して、便秘を軽減するためにどのようなセルフケアが身体的・精神的に負担が少ないのかを考察する。ソフィβ-グルカンは1日3回毎食後に摂取し、便秘の改善を評価する。

③倫理的配慮:研究への参加は自由意志である。対象者が特定できないように配慮する。アンケートは学生の教室に行き、全体に説明した。アンケートの回収にて同意とした。ソフィβ-グルカンの摂取はボランティアを募り、同意書にて同意を得た。なお本研究は高知大学医学部附属病院治験審査委員会から承認を得ている。

 

【結果】

アンケートにて若年女性の考える便秘の原因は食物繊維の不足が多かった。便秘の予防や便秘になったときのセルフケアとして食物繊維・乳製品を摂取する割合が多かった。ソフィβ-グルカンの摂取によって1名には便秘の緩和は見られなかったが、2名に効果が得られた。(表1は被験者とグルカン摂取の関係を表す。A、B、Cは3人の被験者を示す。)

 

【考察】若年女性は食物繊維の摂取が便秘に深く関係していると考えているようである。また、今回のデータからソフィβ-グルカンには便秘緩和の効果がみられることが明らかになった。

 

【まとめ】

今後の課題として、高齢者を対象に、便秘に関する実態把握と食事療法(ソフィβ-グルカン)を導入して、便秘の改善の評価をしていきたいと考えている。

 

引用文献 1) 後藤千穂、徳留裕子:女子短大生の排便状況と生活習慣 名古屋文理短期大学紀要第24号 81-86、1999

 

Back To Top