第108回 日本外科学会定期学術集会
- 2008.05.15
【日時】
2008年5月15日(木)
【演題】
化学療法時におけるソフィβ-グルカンの自然免疫賦活効果の解析
【演者】
溝渕俊二1),渡部嘉哉2),矢野弘子2),笹栗志郎3)
(高知大学臨床看護学1) , (株) ソフィ・ 研究開発部2), 高知大学外科23) )
【はじめに】
黒酵母由来の水溶性β-1,3-1,6-グルカンをヒト (n=11) に1ヶ月間投与し, 前後でNK活性を測定したところ有意に上昇した (p=0.0213)。 今回は免疫能低下を伴う抗癌剤と併用して免疫能低下を抑制できるか検討した。
【方法】
グルカン経口投与群の有無, CDDP腹腔内投与の有無によりマウスを4群に分け検討した(1群:水+生食, 2群:水+CDDP, 3群:グルカン+生食, 4群:グルカン+CDDP, 各n=8)。 グルカン投与群は, 5%グルカンを2週間自由給水させた後, 実験を行った。 CDDPは0.6mg/kgを腹腔内に1週間投与した。 投与後NK活性を51
Cr放出試験で評価した。
【結果】
NK活性は, 1群をコントロール (100%) として比較する と, 1群:100.0±3.83%, 2群:80.0±5.37%, 3群:138.3±87.1%, 4群:101.0±11.81%であり, 2群と4群間では有意差が認められた(p=0.043)。
【結語】
CDDPにβ-グルカンを併用することによってNK活性の低下が抑制された。