第24回 日本静脈経腸栄養学会
- 2009.01.29
【日時】
2009年1月29日(木)
【演題】
ソフィβ-グルカン長期摂取時の血糖値改善効果の検討
【演者】
株式会社 ソフィ1) 高知大学医学部2) 株式会社 高南メディカル 栄養管理部3) 高知大学医学部臨床看護学4)
矢野弘子1) 伊與木美保2) 西森美恵3) 溝渕俊二4)
【目的】
ソフィβ-グルカンは水溶性β-1,3-1,6-グルカンを主成分とし、厚生労働省から既存食品添加物としての認可を受けている。β-グルカンは食物繊維の一種であり、その分子特性によって食物中の糖を保持し、血糖値上昇を抑制する可能性が高い。事実我々が行った動物実験において、ソフィβ-グルカンに同効果があることを確認している。本研究はソフィβ-グルカンの長期間摂取時における血糖値改善効果を検討する目的で行った。
【方法】
被験者(n=22)をグルカン摂取量で5、15、30 ml/日の3群に分けた。グルカンの摂取は毎食前とし、これを12週間継続させた。採血は摂取前および摂取開始後2週間毎に行い、血糖値は全血で測定した。
【結果】
ソフィβ-グルカン摂取前の血糖値を100%として、実験終了時の12週目の血糖値を比較すると、5 ml/日の群で91.1±2.8%、15ml/日の群で88.6±3.0%、30ml/日の群で80.0±4.6%となり、有意な血糖値減少がみられた(p=0.012、p=0.002、p=0.004)。なお、今回の検討中にソフィβ-グルカン摂取による低血糖症などの副作用は認められなかった。
【考察及び結論】
以上の結果から、ソフィβ-グルカンを経口摂取することによって血糖値改善効果が得られることが示唆された。特筆すべき点は、健常人がソフィβ-グルカンを摂取しても低血糖などの副作用を引き起さなかったことである。今回の結果より、ソフィβ-グルカンを経口摂取することによって糖尿病の発症予防効果が期待される。なお、インスリン値については現在解析中であるため、その結果もあわせて報告する。