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第48回 日本癌治療学会学術集会

【日時】

2010年10月28日(木)

 

【演題】

ヒト胃がん細胞株TMK-1に対する腹腔誘導マクロファージの細胞傷害活性の検討

 

【演者】

溝渕 俊二1、谷脇 千穂1,2、渡部 嘉哉1 、笹栗 志朗3

高知大学医学部臨床看護学 1、(株)ソフィ研究開発部 2、高知大学外科学講座外科 3

 

【はじめに】

がん病巣周辺に、M1マクロファージ(Mφ)(炎症性マクロファージ)が集積すると予後 が良く、M2Mφが集積すると血管新生が起こり病態は増悪する報告がされている。我々はこれまで、黒酵母由来の水溶性β-1,3-1,6グルカン(ソフィβ-グルカン(Glu.))の経口投与で、マウス腹腔内M1Mφが活性化することを報告してきた。今回はさらに発展させ、Glu.投与で活性化させた M1Mφを積極的に用いた腹膜播種治療研究の第一段階として、試験管内でヒト胃がん細胞株 TMK-1を標的細胞とした細胞傷害活性の検討を行った。

 

【方法】

Glu.群はマウスに5%(V/V)Glu. を自由給水させ、コントロール(Cont.)群には水を投与した。Glu.投与2週間後に2ml/匹のチオグリコレート培地を腹腔内に投与し、Mφの誘導を行った。得られたMφを機能細胞とし、TMK-1を標的細胞として51 Cr放出試験で細胞傷害活性を測定した。

 

【結果】

細胞傷害活性は、Cont.で検出限界以下であったのに対し、Glu.群では24.76%で明らかな高値を示した。

 

【考察】

Glu.の経口投与に よりマウス腹腔内Mφが活性化し、その結果、細胞傷害性が誘導された。現在、抗がん剤とGlu.とを併用した試験も行っている。さらに、試験管内実験からマウス生体レベルへ系の発展を計画しており、その結果も併せて報告する。

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